安いフィルタは画質が悪い?
屋外撮影で絞りを開くために前回用意したNDフィルタ。レンズに装着して入ってくる光量をコントロールするフィルタです。
たった1,300円弱で3種類のNDフィルタが手に入るということで何も考えずに購入。そのままポートレート撮影で実戦投入しました。で、帰ってきてからネットを見ていると「中華系のフィルタは安いけど画質の劣化が酷いので使わなくなった」という書き込みを発見。
確かに安いのに品質が変わらないってのも虫のいい話です。実際、「1枚で濃度を変更できるNDフィルタ」については安い海外製は画質が悪いという話を事前に見ていたので避けていたのでした。便利そうなんだけどね。
よろしい。ならば実験だ
この前撮影してきた写真は特に違和感を覚えなかったのですが、劣化してるとか言われると気になってきました。ということで簡単ながら実験してみました。
ちなみに撮影環境はこのようになっております。普段寝ているベッドの上に白いシートを垂らしただけ……。樹脂のシートなので汚れにくくていいんですよ。巻き癖が厄介ですがトリミングで何とかなります。
実験の結果衝撃の事実が!!
というわけでレンズのフィルタを交換しつつ撮影してみました。ライティングは部屋の照明でそのまま撮影しているだけです。まあ条件は揃っているので比較はできるでしょう。
フィルタなしの場合
まずフィルタを何も付けない状態です。
等倍で切り出すと下のような感じ。
ISO100、絞りF8、シャッタースピード1秒で撮影しています。
プロテクトフィルタの場合
NDフィルタに行く前に先に購入していた「HAKUBA レンズ保護フィルター XC-PRO」でも実験してみました。これはレンズを守るのが目的で撮影結果には極力影響を与えないことが求められます。
等倍で見てみると
これは当然、フィルタなしと全く同じ設定の「ISO100、絞りF8、シャッタースピード1秒」で撮影しています。露出に違いが出たら保護フィルタとして使い物になりませんからね。
うむうむ。違いは分からないと言って良いんじゃないでしょうか。このフィルタは国産のくせに1,700円弱と激安。お買い得ですね。管理人が買った時は2,300円台だったのに。
そしてND4フィルタの場合……この結果は……
さていよいよ今回の本命であるNDフィルタです。代表選手としてND4で実験してみました。
んん!? 等倍で見るとこう
ちょっと待って! 露出が違う! やけに明るい。
ND4ということは2段暗くなるわけです。なので上の写真は「ISO100、絞りF8、シャッタースピード4秒」で撮影しています。フィルタなしの場合よりシャッタースピードを2段分遅くしてます。それで合うはずだよね……?
ND4フィルタ修正版の場合
これは2段分の減光があんまり厳密ではない、って事かな。それが個体差による物なのか、製品全体がこうなのかは分かりません。
ということで目視で明るさが同じようになる設定にして再度撮影。
大体元の明るさに近いかな? 等倍で見るとこう
カメラの設定は「ISO100、絞りF8、シャッタースピード2.5秒」で撮影しています。これだとND2よりちょっと暗いって感じかな?
さてNDフィルタのキモである明るさに問題が出てしまいましたが、画質自体はどうでしょうか。今回の実験で見る限り画質の劣化はほとんど気にしなくていいんじゃないかなと思いました。
実験結果を並べてみた
今回の4枚をまとめた画像がこちらです。
これだと露出を揃えたND4フィルタとプロテクトフィルタは見分けが付かない気がします。鑑賞サイズに縮小したらなおさらでしょうね。
大雑把ではあるけど実用上は困らない
実験結果としては「画質劣化は体感できないぐらい小さい。でも減光性能が書いてる数値と違う」でした。まあ、それもどうなのと思うのですが、あんまり実用上は困らないんですよ。
撮影時は結局NDフィルタを通した状態で露出を決めるので、ND4フィルタが厳密に2段減光してなくても、それに合わせた設定にするだけです。2段減光してくれないと明るすぎるんだって時はセットになってるND8の方を使えば良いしね。
というわけで結論としては特性を理解して使う分には安いしお買い得だと思います!