世界でも珍しいスポットが意外と近所にあることに気付き、行ってきました。大阪市東淀川区、上新庄にある「瑞光寺」です。阪急上新庄駅から徒歩10分弱です。
住宅街の中にある小さいお寺なのですが、何が珍しいって境内にある橋です。欄干がクジラの骨でできているのです。雪鯨橋といいます。まあ、境内の説明書きでは普通に「鯨橋」って書いてありますが。
現在の橋は6代目で2006年にリニューアルした物です。橋は50年周期で架け替えられるそうなのですが、11年目の現在でも結構風化しているような。アラフォーの私が次のリニューアルまで生きてられるかは微妙なところです。
何故クジラの骨で橋を作っているかというと、ちゃんと謂われがあります。江戸時代に当時の住職さんが捕鯨で有名な和歌山県太地町で豊漁祈願をして、村を救った恩返しなんですね。
住職さんは殺生はいかんということで当初断っていたらしいのですが、村の窮状を見てやむを得ず祈願したとのこと。また送られてきた骨もクジラの供養のために橋にしたそうです。
現在の橋も調査捕鯨で得られた骨を太地町から譲り受けた物とのこと。境内に立て看板がありました。
尾びれっぽい形をしておりますが、そんな小さいわけはなく肩甲骨だそうです。
まだ10年しか経っていない割に貫禄のある風化っぷり。大丈夫なんでしょうか。
欄干に先ほどの肩甲骨が使われています。
お寺の入口にも立派な骨がゲートのようにそびえ立っていました。これが下顎の骨ですかね。すごい大きさです。
江戸時代に作られた当初は橋その物が骨でできていたそうなのですが、さすがにそれは耐久性に問題があったのか石造りになっています。骨で橋を作るのも簡単ではなく、現在使われている骨も、2年間油抜きのために土に埋めるという下処理がしてあるそうです。
ホントに小さいお寺なのでここだけを目当てに観光に来るような所ではありません。何かのついでにコースに組み込むのが良いのではないでしょうか。上新庄だからな~。ラーメン屋さんのついでとか……。
ちなみに私、観光地などに行くと必ずと言っていいほど何らかの工事が行われているというジンクスがあります。それでなかなか名所の写真がスッキリとした形で撮れないのです。ちょっと前の仁和寺でも見事に工事が行われていました。
しかし今回のお寺の規模なら大丈夫だろう。そう思っていた時代が私にもありました。甘かったのです。冒頭の写真に写っている青いホース。そう。「工事」は行われていませんでしたが、「掃除」が行われていたのです……。